名古屋城 (愛知県) の見どころとアクセス方法
名古屋城は、元々今川氏が築城し、その後織田氏が城主となっていた那古野城があった場所に、徳川家康によって新しく築城された城です。日本三大名城の一つであり、天守閣を飾る金の鯱で有名です。昭和初期まで多くの建造物が現存しており、一度は国宝に指定されましたが、空襲により本丸御殿や天守閣、金鯱など多くの貴重な建造物消失しました。その後、天守閣や金鯱、そして本丸御殿が復元されています。
この記事では海外および国内からの旅行者の方向けに、名古屋城の見どころとアクセス方法についてご紹介します。
(Last modified: )
Table of contents
名古屋城の見どころ
名古屋城の見どころについてご紹介します。
名古屋城について
名古屋城がある場所は元々室町時代に今川氏によって築かれた那古野城があった場所です。今川氏から織田氏に城主が変わり、織田信長が城主になったあと、本拠地を清州城へ移したこともあり一度は廃城になりました。尾張は清州城が中心となります。
関ヶ原の戦い以降、清洲城は徳川家康の四男・松平忠吉に与えられ、彼の死後は九男・徳川義直の居城となりましたが、清洲城では水害などの問題が懸念されていました。そこで、徳川家康は大坂の豊臣方への備えのため、尾張の新たな城として名古屋城の築城を1610年に開始しました。築城は天下普請(てんかぶしん)により加藤清正、福島正則などの豊臣恩顧の大名に命じています。
1612年には天守閣が完成し、1615年には本丸御殿が完成しました。なお、1615年は大坂夏の陣が行われ、豊臣家が滅びた年でもあります。名古屋城の築城開始後、清洲城からは町ごと名古屋城への移住が行われました。新たに尾張藩が設立され、徳川義直が初代藩主となりました。
名古屋城の開園時間、休園日、観覧料
名古屋城の開園時間は 09:00~16:30 です。ただし本丸御殿および西の丸御蔵城宝館へのご入場は 16:00 までとなっています。
名古屋城の休園日は 12月29日、30日、31日、1月1日 の 4 日間です。
名古屋城の観覧料は次の通りです。
■ 大人 500円
■ 中学生以下 無料
■ 名古屋市内高齢者 100円
※ 名古屋市内高齢者は名古屋市内在住の 65 歳以上の方です。
2024 年 8 月現在、天守閣は閉鎖されており、中に入ることはできません。
正門
西ノ丸の入口にあるのが正門です。正門がある位置には以前は榎多門(えのきだもん)と呼ばれる門があり、南側の冠木門(かぶきもん)と北側と西側の多門櫓(たもんやぐら)で枡形虎口(ますがたこぐち)を形成していました。
1891 年の濃尾地震で榎多門は大破し、その後、旧江戸城から蓮池門(はすいけもん)が移設されますが 1945 年の空襲で焼失してしまいました。現在の正門は 1959 年に復元されたものです。
チケット売り場は正門のすぐ前にあります。
中に入ってから見た正門です。
西の丸御蔵城宝館
正門から入ってすぐ左側にあるのが西の丸御蔵城宝館(にしのまるおくらじょうほうかん)です。名古屋城の歴史を知ることができる情報ルームや、名古屋城に保管されている貴重な文化財などが展示されています。なお城宝館の外観は元々西ノ丸にあった蔵の外観を再現しています。
西南隅櫓
西南隅櫓(せいなんすみやぐら)は 1612 年に建造された隅櫓で、本丸の南西にあります。未申隅櫓(ひつじさるすみやぐら)と呼ばれていました。重要文化財に指定されています。外側は二層に見えますが内部は三階建てとなっています。明治後期から大正期に一度倒壊していますが、その後古材を使って再建されています。
本丸側からも見ることができます。
東南隅櫓
東南隅櫓(とうなんすみやぐら)は 1612 年に建造された隅櫓で、本丸の南東にあります。辰巳隅櫓(たつみすみやぐら)と呼ばれていました。重要文化財に指定されています。西南隅櫓と同じく外側は二層に見えますが内部は三階建てになっています。昭和 27 年の解体修理の際に、明治時代に江戸城にあった鯱(しゃちほこ)がとりつけられていたことが判明しました。
本丸側からも見ることができます。
本丸表二之門
本丸表二之門(ほんまるおもてにのもん)は名古屋城創建時から現存する門で重要文化財に指定されています。以前は南二之門と呼ばれており、現在はない表一之門と共に枡形を形成していました。
内側から見た本丸表二之門とその周りです。
天守閣
名古屋城の天守閣は大天守と小天守があり、2つの天守を櫓台(やぐらだい)で連結しています。
大天守:
小天守:
大天守と小天守を結んでいる櫓台は高い土塀で囲われており、堀の軒には敵の侵入を防ぐために槍の穂先が並べられていました。このことから剣堀(つるぎべい)と呼ばれています。
槍の穂先が並べられているのは外側だけで、内側にはありません。
どちらの天守閣も 1612 年に完成し、江戸時代から明治、大正と現存していました。 1930 年には国宝に指定されましたが、残念ながら 1945 年の空襲で焼失してしまいました。戦後になり鉄筋コンクリート作りで再建されています。 2024 年の時点では天守閣は耐震性の問題があり立ち入りが禁止されています。今後木造で改めて再建される計画が進められています。
金鯱
名古屋城と言えば金鯱(きんしゃち、きんのしゃちほこ)が有名です。天守閣の北側にあるのが雄、南側にあるのが雌です。1612年の創建当時は純金215Kg相当の金が使われていましたが、その後財政難などの理由により作り直され、その都度金の量が減っています。天守閣と同じく1945年に焼失しており、1959年に復元されました。
名古屋城横にある金シャチ横丁の中にあるお土産屋「鯱上々」の中に実物大の金鯱が提示されています。
本丸御殿
本丸御殿(ほんまるごてん)は 1615 年に完成し、尾張藩初代藩主の徳川義直の住居および尾張藩の政庁としても使われました。その後、本丸御殿は将軍が上洛するときに宿泊する御成御殿(おなりごてん)となりました。
天守閣と同じく1945年に焼失してしまいましたが、 2018 年に復元されています。幸い襖絵や天井板絵などは焼失を逃れて残っており、現存する1,049面のうち1,047面は重要文化財に指定されています。
本丸御殿のより詳細な見どころに関しては「本丸御殿(名古屋城)の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
旧二之丸東二之門
旧二之丸東二之門は、1612年頃に建設されました。もともと二之丸の東鉄門(ひがしくろがねもん)として建てられていましたが、愛知県体育館が二之丸に建設されるときに現在の位置に移築されています。東二之門の正面の石垣に清正石があります。
清正石
清正石(きよまさいいし)は名古屋城にある石垣の中で最大の巨石です。旧二之丸東二之門の正面にあり、重さはおよそ 10 トンです。名前の由来は、石垣作りの名手として名高い加藤清正によって運ばれたと言われているためですが、この石垣の担当は黒田長政だったため、事実ではないようです。
不明門
不明門(ふめいもん)は本丸北側と御深井丸(おふけまる)との間にある門です。土塀の下にあり、厳重に施錠されていたことから「あかずの門」と呼ばれていました。天守閣と同じく 1945 年に焼失してしまいましたが、その後復元されています。
西北隅櫓
西北隅櫓(せいほくすみやぐら)は 1619 年に建造された隅櫓で、御深井丸の北西にあります。戌亥隅櫓(いぬいすみやぐら)と呼ばれていました。重要文化財に指定されています。外側が三層で、内部も三階建てとなっており、三階の隅櫓としては全国で二番目の大きさです。
西北隅櫓は清州城の天守を移設したと伝えられており、清州櫓(きよすやぐら)とも呼ばれています。
御深井丸側からも見ることができます。
乃木倉庫
乃木倉庫は明治初期に建造された煉瓦造(れんがづくり)の倉庫です。軍隊によって利用されていた時期に造られたもので、弾薬庫として利用されていました。当時のまま現存していまっす。
二の丸庭園
尾張藩藩主は二之丸御殿に住んでいましたが、その北側に造られた庭園が二の丸庭園(二之丸庭園)です。二の丸庭園は大きくわけて前庭、北御庭、二之丸東庭園に分けることができます。広大な敷地には茶亭や園池(えんち)、築山(つきやま)などがあり、庭園のほぼ全域が名勝(めいしょう)に指定されています。
二の丸庭園のより詳細な見どころに関しては「二の丸庭園(名古屋城)の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
二之丸大手二之門
大手二之門は二之丸西側にあった枡形の外門です。内門である大手一之門(現存していません)と共に二之丸正門を形成していました。重要文化財に指定されています。
名古屋城内での飲食について
名古屋城の公式サイトにある「よくある質問」では野外の食事場所として二之丸広場等をご利用くださいと記載されています。また電話で確認したところ、お弁当を持ち込んで食べるのは問題ありませんとのことでした。(広場で食べる場合は芝生を傷つけないにお願いしますとのことと、屋根のある場所があまりないので雨天の場合は難しいかもしれませんということでした)。
二之丸広場:
また名古屋城内には食事ができるお店として、きしめんが食べれる麺類食堂が営業しています。場所は本丸表二之門の正面です。
他にも団子などの簡単な食事ができる場所として、(1)正門横食堂・売店、(2)内苑売店、(3)サテライトショップ、があります。
正門横食堂・売店は正門を入ってすぐのところにあり、みたらし団子、五平餅、おしるこ、などを食べることができます。おみやげも購入することができます。
内苑売店は天守閣の前にあり、五平餅、おしるこ、などを食べることができます。
サテライトショップは東門付近にあり、五平餅、みたらし団子、などを食べることができます。
また二の丸庭園内にある二の丸茶亭では、抹茶やみつ豆を頂くことができます。
金シャチ横丁
金シャチ横丁は名古屋城のすぐ近くに誕生した飲食店やおみやげ屋さんが集まっているエリアです。正門近くの義直ゾーンには12店舗、東門近くには宗春ゾーンには8店舗のお店が出店しており、店内で食事をしたりテイクアウトして食べ歩きしたりすることができます。
金シャチ横丁のより詳細な情報に関しては「金シャチ横丁のランチ&食べ歩き完全ガイド」をご覧ください。
名城公園
名城公園は名古屋城に隣接している城址公園です。広大な敷地内には芝生広場や池などがあり、四季折々の風景を楽しみながらのんびりと過ごすことができます。また芝生広場にあるオランダ風車や、花や緑に関する展示や講習などを行うフラワープラザ、レストランやカフェがある商業施設 tonarino などがあります。
なお一般的に名城公園と言った場合は、芝生広場などがある名城公園の北園のことを指しますが、名古屋城があるエリアは名城公園の南園であり、名古屋城も名城公園の一部です。
名城公園のより詳細な情報に関しては「名城公園 (愛知県) の見どころとアクセス方法」をご覧ください。
名古屋城の雪景色
名古屋城の雪景色の様子です。
名古屋城の雪景色に関するより詳細な見どころに関しては「名古屋城の雪景色の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
名古屋城のイベント
名古屋城で行われたイベントに関して紹介します。
西南隅櫓の特別公開
名古屋城夏まつりのイベントの一つとして普段は公開されていない西南隅櫓の特別公開が行われていたので見学してきました。利用料金は無料です。(名古屋城への入場券は必要です)。
西南隅櫓の特別公開に関するより詳細な見どころに関しては「名古屋城 」をご覧ください。
名古屋城の住所およびアクセス方法
名古屋城の住所
名古屋城の住所は「愛知県名古屋市中区本丸1-1」です。
名古屋城へのアクセス方法
名古屋駅から名古屋城へのアクセス方法について解説します。
名古屋市営地下鉄東山線
5 分
名古屋市営地下鉄名城線右回り
4 分
徒歩
5 分
名古屋城の駐車場
名古屋城には有料の駐車場が 2 か所あります。それぞれの駐車場の場所やアクセス方法については「名古屋城の公式駐車場の場所と利用料金」をご覧ください。
また駐車場ではありませんが、名古屋城の周辺には曜日によっては路上駐車可能な道路がいくつかあります。路上駐車可能な道路の情報については「名古屋城周辺の無料で路上駐車可能な道路」を参照されてください。
名古屋城の近くにある観光スポット情報
名古屋城の近くには、他にもいくつかの観光スポットがあります:
東山動植物園
東山動植物園は、愛知県名古屋市にある市営の動植物園です。1937年に開園しました。敷地内には動物園、植物園に加えて遊園地、自然動物館、世界のメダカ館、ふれあい広場、展望台である東山スカイタワーなどがあります。地下鉄の駅から歩いて数分というアクセスの良さに加えて、中学生以下は入園料が無料ということもあり、ご家族連れに人気のスポットとなっています。
熱田神宮
熱田神宮は愛知県名古屋市にある神社です。熱田神宮が創建されたのは 113 年で約 1900 年前となります。三種の神器の1つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)が祀られていることで知られています(天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)とも呼ばれます)。境内には約6000点におよぶ宝物が収蔵された宝物館があるほか、樹齢 1000 年以上と言われる大楠や、織田信長が桶狭間の戦いの前に戦勝を祈願し、大勝したことのお礼として奉納した信長塀などがあります。
ディノアドベンチャー名古屋
ディノアドベンチャー名古屋は、愛知県名古屋市の大高緑地公園内にある、恐竜をテーマにしたテーマパークです。森の中のコースを自分で歩いて回る仕組みで、その森には本物そっくりの恐竜が数多く配置されています。それぞれの恐竜は動いたり、鳴き声をあげたりするため、まるで恐竜の世界に迷い込んだかのような体験ができます。
レゴランド・ジャパン
レゴランド・ジャパンは愛知県名古屋市にあるレゴ・ブロックを使ったテーマパークです。パーク内にある色々なアトラクションの乗り物はレゴ・ブロックで作られたような形状をしています。また数多くのレゴ・ブロックを使った作成されたオブジェクトがパーク内に設置されています。隣接する場所には水族館のシーライフ名古屋や宿泊施設のレゴランド・ジャパン・ホテルがあります。
名古屋城に関するその他の情報
名古屋城に関するオフィシャルサイト:
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/
-- --
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
( Written by Tatsuo Ikura )