本丸御殿(名古屋城)の見どころ完全ガイド

本丸御殿(ほんまるごてん)は1615年に完成し、尾張藩初代藩主の徳川義直の住居および尾張藩の政庁としても使われました。その後、本丸御殿は将軍が上洛するときに宿泊する御成御殿(おなりごてん)となりました。天守閣と同じく1945年に焼失してしまいましたが、2018年に復元されています。幸い襖絵や天井板絵などは焼失を逃れて残っており、現存する1,049面のうち1,047面は重要文化財に指定されています。この記事では本丸御殿(名古屋城)の見どころを紹介します。

※ 名古屋城に入るのに入場料は必要ですが、名古屋城の中にある本丸御殿に入るのに追加の費用は発生しません。

なお名古屋城全体に関する解説記事については「名古屋城 (愛知県) の見どころとアクセス方法」を参照されてください。

本丸御殿(名古屋城)の見どころ完全ガイド(0)

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本丸御殿への2つの入口

本丸御殿は 1 つの建物ですが、 2023 年時点では本丸御殿の入口は2つに分かれています。表書院や上洛殿などは中之口部屋横出入口、湯殿書院と黒木書院へは湯殿書院前出入口から入ります。

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(1)

中之口部屋横出入口

中之口部屋横出入口から入る場合は、車寄せがあるところを右の通路をまっすぐ天守閣がある方へ進んでください。いったん入口の前を通りすぎて、白いテントがあるところまで進みます。

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(2)

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(3)

白いテントのところで本丸御殿の見学に関する注意事項を聞いたあとで、入口のある所に戻って入場します。

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(4)

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(5)

湯殿書院前出入口

湯殿書院前出入口から入る場合は、車寄せがあるところを左に曲がり、そのあとはまっすぐ進んでください。

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(6)

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(7)

突き当りを右に曲がると入口があります。

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(8)

本丸御殿への2つの入口:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(9)

湯殿書院はガイドの方と一緒に見物することになっています。待っている何人かの人と同じグループになり、グループ単位で中に入ります。ガイドさんの説明を聞きながら見て回ります。最後に少し自由に見て回ったあと、外に出て次のグループと交代になります。1グループあたりの時間は15分程度です。

靴は脱いで袋に入れて自分で持って回ります。ロッカーはないですが、大きい荷物は入り口のテントで預かってくれます。

中之口部屋

それでは最初に中之口部屋横出入口から中に入ります。入ったところが中之口部屋(なかのくちべや)です。ここは本丸御殿の実質的な玄関として使用されていた場所です。脱いだ靴を入れる靴箱と、ロッカールームがあります。施設の保全のため、大きな荷物を持っている人はロッカールームに荷物を預けてください。

中之口部屋:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(10)

中之口部屋:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(11)

中之口部屋:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(12)

玄関・大廊下

通路を進んで左側にあるのが大廊下そして玄関です。

玄関・大廊下:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(13)

大廊下は玄関と奥を結ぶ廊下で、幅は 6m ほどあります。大廊下には竹林豹虎図(ちくりんひょうこず)と呼ばれるふすま絵の複製されたものが展示されています。竹林豹虎図は焼失を逃れた 4 枚のふすま絵で、国指定重要文化財となっています。

大廊下:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(14)

大廊下:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(15)

竹林豹虎図:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(16)

玄関は来客が最初に通される部屋のことです。一之間と二之間の 2 つの部屋があります。壁やふすまには虎が描かれています。

玄関:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(17)

玄関:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(18)

玄関:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(19)

玄関:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(20)

玄関の正面には車寄(くるまよせ)があります。

車寄:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(21)

車寄:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(22)

車寄を外から見ると、建物の外側に飛び出している形となっています。

車寄:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(23)

表書院

玄関から大廊下を進んだ先にあるのが表書院(おもてしょいん)です。表書院は藩主と来客や家臣が公的に謁見するときに使用される場所です。

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(24)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(25)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(26)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(27)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(28)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(29)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(30)

部屋の中でも上段之間(じょうだんのま)は藩主の座として使用されていました。付書院(つけしょいん)が備わっています。

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(31)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(32)

表書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(33)

対面所

続いて対面所(たいめんじょ)です。対面所は藩主と身内や家臣との私的な対面のほか、宴席などでの使用された場所です。

対面所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(34)

先に順路に沿って奥へ進み、納戸一之間と納戸二之間を見物します。

対面所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(35)

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対面所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(39)

続いて次之間と上段之間です。

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対面所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(45)

鷺之廊下

鷺之廊下(さぎのろうか)は対面所と上洛殿(じょうらくでん)を結ぶ廊下です。将軍や藩主が上洛殿へ向かうときに使用しました。

鷺之廊下:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(46)

鷺之廊下:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(47)

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鷺之廊下:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(49)

上洛殿

上洛殿(じょうらくでん)は三代将軍家光の上洛にあわせてその宿舎として増築されたものです。その結果、本丸御殿は御成御殿(おなりごてん)となり、藩主の住まいは二之丸御殿に移りました。本丸御殿の中で最も格式が高い建物となっています。

上洛殿ではいったん通路を奥まで進み、同じ通路を戻ってくる形式となっています。そのため、混んでいることが多いです。

上洛殿:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(50)

上洛殿:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(51)

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上洛殿の通路は非常に豪華な装飾が行われています。

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上洛殿:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(60)

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上洛殿:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(62)

上洛殿:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(63)

上洛殿:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(64)

梅之間

梅之間(うめのま)は将軍をもてなす役割に任じられた尾張上級家臣の控えの間として使われた部屋です。

梅之間:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(65)

梅之間:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(66)

梅之間:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(67)

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上御膳所

上御膳所(かみごぜんしょ)は、上台所で調理された料理を温めなおすのに使われた場所です。温めるのに使用した囲炉裏があるところを御膳場(御膳場)と呼び、上之間(かみのま)と御上段(おんじょうだん)という部屋が横にあります。主に上洛殿で使用する料理を扱うときに使います。

上御膳所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(69)

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上御膳所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(74)

下御膳所

上御膳所から対面所の納戸一之間と納戸二之間の横を通り進むと下御膳所(しもごぜんしょ)があります。下御膳所も上御膳所と同じく料理を温めなおすのに使用された場所です。藩主や家臣の料理を扱うときに使われます。

下御膳所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(75)

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下御膳所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(77)

天井から煙を外へ出せるようになっています。

下御膳所:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(78)

湯殿書院

次に湯殿書院前出入口から中に入ります。入ったところが湯殿書院(ゆどのしょいん)です。湯殿書院は将軍専用の風呂場で、上り場として 3 つの部屋が用意されています。脱衣所や休憩所として使用されました。

湯殿書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(79)

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湯殿書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(83)

湯殿書院:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(84)

風呂場には湯舟はなく、蒸し風呂が設置されていました。風呂屋形(ふろやかた)と呼ばれる中にかまどで沸かしたお湯の湯気を引き入れて使用していたようです。

風呂屋形:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(85)

風呂屋形:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(86)

風呂屋形:本丸御殿(名古屋城)の見どころ(87)

黒木書院

黒木書院(くろきしょいん)は本丸御殿の中で最も小さな建物で、一説によれば清州城にあった徳川家康の宿舎を移設したものと言われています。本丸御殿の他の部屋はヒノキが使われているのに対して松が使われているのが特徴です。

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最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

( Written by Tatsuo Ikura )