薬師寺 (奈良県) の見どころとアクセス方法

薬師寺は奈良県奈良市にある寺院で、法相宗の大本山です。境内には2つの三重塔が建てられており、そのうちの一つである東塔は、薬師寺の創建当初から残っている歴史的にも非常に貴重な建造物です。また、金堂に安置されている国宝の薬師三尊像は、白鳳時代の仏像の中でも最高傑作の一つと言われています。

この記事では海外および国内からの旅行者の方向けに、薬師寺の見どころとアクセス方法についてご紹介します。

薬師寺(0)

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(都道府県 : 奈良県 , カテゴリー : 寺社)

薬師寺の見どころ

薬師寺の見どころについてご紹介します。

南門と中門

薬師寺の白鳳伽藍(はくほうがらん)の南端にあるのが南門(みなみもん)です。その南門から入りすぐのところに中門(ちゅうもん)があります。中門は薬師寺で最大の大きさの門で、1528年に焼失後、1984年に再建されています。

1991年には二天王像(にてんのうぞう)も復元され中門の東西にそれぞれ安置されています。二天王像は、色鮮やかな武装姿で復元されているのが特徴的です。

南門:

南門:薬師寺の見どころ(1)

中門:

中門:薬師寺の見どころ(1)

二天王像:

二天王像:薬師寺の見どころ(1)

二天王像:薬師寺の見どころ(2)

東塔

東塔(とうとう)は730年に建立されたと推定されており、薬師寺で創建当初から唯一残っている建造物です。国宝に指定されています。大きい屋根と小さい屋根がそれぞれ3つあり、一見すると六重の塔に見えますが、小さい屋根は実際には裳階(もこし)と呼ばれるもので三重塔です。

東塔:薬師寺の見どころ(1)

東塔:薬師寺の見どころ(2)

東塔:薬師寺の見どころ(3)

西塔

西塔(さいとう)の建立時期は正確に分かっていませんが、1528年に焼失後、1981年に再建が完了しました。東西両塔が並ぶのは453年ぶりとなります。東塔が年月を経て落ち着いた色になっているのに対して、西塔は創建当初と同じ鮮やかな朱色に塗られています。

西塔:薬師寺の見どころ(1)

西塔:薬師寺の見どころ(2)

西塔:薬師寺の見どころ(3)

金堂

金堂(こんどう)は他の多くの建造物と同じく1528年に焼失したあと、1976年に再建されました。金堂には国宝の薬師三尊像(やくしさんぞんぞう)が安置されています。中心に薬師如来像(やくしにょらいざぞう)、脇侍は日光菩薩像(にっこうぼさつぞう)と月光菩薩像(がっこうぼさつぞう)です。

薬師三尊像は白鳳時代(天平時代という説もあります)に創建されました。安置されていた金堂は火災により焼失しましたが、薬師三尊像は光背(こうはい)を焼失しただけで済み、創建当時のまま現存しています。薬師三尊像は白鳳時代における仏教彫刻の最高傑作の1つと言われています。

金堂:薬師寺の見どころ(1)

金堂と東塔と西塔:薬師寺の見どころ(2)

大講堂

大講堂は非常に大きな建造物で、1528年に焼失したあと1852年に小さな規模で再建されましたが、2003年に創建当時の規模で改めて再建されました。講堂とは僧侶が仏教の教義について学ぶ場所のことです。

大講堂にはお釈迦様の足跡を彫った仏足石(ぶっそくせき)が安置されています。753年に造られた物で、日本国内にある仏足石の中で最古のものです。また仏足跡への賛歌が21首刻まれた仏足跡歌碑(ぶっそくせきかひ)も一緒に安置されています。どちらも国宝に指定されています。

大講堂:薬師寺の見どころ(1)

大講堂:薬師寺の見どころ(2)

大講堂:薬師寺の見どころ(3)

玄奘三蔵院伽藍

玄奘三蔵院伽藍(げんじょうさんぞういんがらん)は、法相宗(ほっそうしゅう)の始祖である玄奘三蔵のご頂骨を分骨されたのに合わせて1991年に建立された新しい伽藍です。白?伽藍からは少し離れた場所にあります。なお玄奘三蔵は西遊記の三蔵法師のモデルとなった実在の人物です。

玄奘三蔵院伽藍では、回廊の中心に建つ玄奘塔(げんじょうとう)に玄奘三蔵のご頂骨が収められています。また玄奘塔の北側に建てられた大唐西域壁画殿には平山郁夫画伯によって奉納された「大唐西域壁画(だいとうさいいきへきが)」が飾られています。(回廊内は写真撮影不可)。

玄奘三蔵院伽藍:薬師寺の見どころ(1)

玄奘三蔵院伽藍:薬師寺の見どころ(2)

玄奘三蔵院伽藍:薬師寺の見どころ(3)

薬師寺の住所およびアクセス方法

薬師寺の住所

薬師寺の住所は「奈良県奈良市西ノ京町457」です。

薬師寺へのアクセス方法

近鉄奈良駅から薬師寺へのアクセス方法について解説します。

近鉄奈良駅

近鉄奈良線
5 分

大和西大寺駅

近鉄橿原線
4 分

西ノ京駅

徒歩
すぐ

薬師寺

薬師寺の近くにある観光スポット情報

薬師寺の近くには、他にもいくつかの観光スポットがあります:

東大寺
東大寺は奈良県奈良市にある華厳宗の大本山です。奈良の大仏さまで有名です。聖武天皇の発願により奈良時代に創建され、大仏殿は751年に完成しました。その翌年には大仏の開眼供養が行われています。世界最大級の木造建築物である大仏殿や、国宝である二月堂が人気スポットとなっています。東大寺はユネスコの世界遺産に登録されており、古都奈良の文化遺産の一部です。

奈良公園
奈良公園は奈良県奈良市にある公園です。奈良公園の周辺には数多くの鹿がいることで有名です。奈良公園がどの範囲を含むかは定義によりますが、東大寺、興福寺、春日大社、奈良国立博物館、若草山、春日山原始林などを含む場合もあります。一般的には、周辺の寺社も含めて奈良公園と称されます。

春日大社
春日大社は奈良県奈良市にある神社で、全国に約 1,000 社ある春日神社の総本社です。奈良時代の 768 年に、平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために称徳天皇の勅命を受けて、藤原氏により創建されました。平安時代から寄進されてきた約 3,000 基の灯籠を参道や本殿周辺の回廊で見ることができます。春日大社はユネスコの世界遺産に登録されており、古都奈良の文化遺産の一部となっています。

法隆寺
法隆寺は、奈良県生駒郡斑鳩町にある聖徳宗の総本山の寺院です。607年に推古天皇と聖徳太子によって創建されました。火災で一度は焼失しましたが、約1300年前に再建され、現存する世界最古の木造建築群となっています。法隆寺は姫路城と共に日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

薬師寺に関するその他の情報

薬師寺に関するオフィシャルサイト:

https://yakushiji.or.jp/

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( Written by Tatsuo Ikura )