熱田神宮 (愛知県) の見どころとアクセス方法
熱田神宮は愛知県名古屋市にある神社です。熱田神宮が創建されたのは 113 年で約 1900 年前となります。三種の神器の1つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)が祀られていることで知られています(天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)とも呼ばれます)。境内には約6000点におよぶ宝物が収蔵された宝物館があるほか、樹齢 1000 年以上と言われる大楠や、織田信長が桶狭間の戦いの前に戦勝を祈願し、大勝したことのお礼として奉納した信長塀などがあります。
この記事では海外および国内からの旅行者の方向けに、熱田神宮の見どころとアクセス方法についてご紹介します。
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熱田神宮の見どころ
熱田神宮の見どころについてご紹介します。
熱田神宮の参拝時間
熱田神宮では 24 時間いつでも参拝することができます。ただし夜間利用可能な駐車場は西門駐車場だけです。拝観料は必要ありません。
なお授与所は毎日午前7時頃より日没頃まで開所しています。またご祈祷・神楽の受付時間は毎日午前8時30分から午後4時までです。
また熱田神宮における参拝作法については「神社の参拝作法」を参照されてください。
正門(南門)、西門、東門
熱田神宮には正門(南門)、西門、東門の3つの門があります。
熱田神宮へのアクセスとして地下鉄熱田神宮西駅を利用される場合は西門が近いです。
熱田神宮へのアクセスとして名鉄神宮前駅、JR熱田駅、地下鉄熱田神宮伝馬町駅を利用される場合は東門が近いです。
熱田神宮へのアクセスとして地下鉄熱田神宮伝馬町駅を利用される場合は正門(南門)と東門が同じくらいの距離です。正門前にある鳥居が第一鳥居となります。
本宮
本宮(ほんぐう)へ参拝する場合、正門、東門、西門のいずれから入った場合でも宝物殿の前あたりに第二鳥居があります。
第二鳥居をくぐると左側に手水舎(てみずしゃ)があります。手と口をすすいでください。
参道を進み第三鳥居をくぐると正面に本宮が見えます。本宮のご祭神(ごさいじん)は熱田大神(あつたのおおかみ)です。
なお本宮の前に小さな階段がありますが、階段より上からは撮影禁止となっていますのでご注意ください。
祈祷殿と長床
本宮の左側には祈祷殿(きとうでん)と長床(ながどこ)があります。
祈祷殿では主に車祓い(くるまばらい)が行われています。
車祓いでは車は国道19号(22号)線沿いに入口が用意されています。
祈祷殿の一角に長床があります。熱田神宮で神前挙式を行われる場合、「大前挙式(おおまえきょしき)」「儀式殿挙式(ぎしきでんきょしき)」「みなも神殿挙式(みなもしんでんきょしき)」の 3 つから会場を選ぶことができますが、大前挙式を選ばれた場合は長床で行われます。
以前に挙式が行われていたときの様子です。屋外のため、披露宴にご招待できなかったご友人なども外から見ることができます。
授与所と御朱印(御神印)
本宮の右側には授与所(じゅよしょ)があります。お札やお守りを頂いたり、おみくじを引くことができます。ご祈祷の申し込みもこちらで行えます。
また御朱印(御神印)の受付も授与所で行っています。
熱田神宮の境内では 3 つの御朱印(御神印)を頂くことができます。別宮八剣宮(べつぐうはっけんぐう)と上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)の御朱印(御神印)は上知我麻神社の授与所で頂くことができます。
神楽殿
授与所の右側には神楽殿(かぐらでん)があります。初宮詣(はつみやもうで)、安産祈願、七五三詣、厄除(やくよけ)などのご祈祷が行われる場所です。(受付は授与所で行っています)。
神楽殿の前には「ならずの梅」と呼ばれる梅があります。毎年二月には八重の花が咲き始めますが、実を一度もつけたことがないことから「ならずの梅」と呼ばれています。室町時代に境内を描いた古図にも描かれているそうです。
こころの小路と一之御前神社
熱田神宮の一番奥、本宮の裏側あたりに一之御前神社(いちのみさきじんじゃ)があります。一之御前神社は熱田神宮の摂社の一つです。以前は神聖な場所として立ち入りが禁止されていましたが、2012年12月に一般公開されました。一之御前神社では熱田大神(あつたおおかみ)の荒魂(あらみたま)が祀られています。
一之御前神社へと参拝する道が「こころの小路」と呼ばれる道です。本宮の左側と、祈祷殿の右側にそれぞれ入口があり、一之御前神社へと続いています。なおこころの小路や一之御前神社は撮影が禁止されていますのでご注意ください。またこころの小路の通行は9時から16時までです。
本宮の左側から進む場合は、本宮の敷居に沿って右側に曲がり、そのあとまっすぐ進んでください。
神楽殿の右側から進む場合は、神楽殿の右端あたりに看板があるので左へ曲がり、そのあと右側の通路をまっすぐ進んでください。左側は土用殿へと続く道です。
なお清水社は、神楽殿の方から入ったこころの小路の先にありますが、清水社までは写真撮影しても問題ないと熱田神宮に電話で問い合わせて確認をしております。
清水社とお清水さま
神楽殿の右側からこころの小路を進んでいくと清水社があります。清水社は熱田神宮の末社の一つです。ご祭神は水の神様である罔象女神(みずはのめのかみ)です。
清水社の右側には湧水が沸いており、水で目を洗えば目がよくなり、肌を洗えば肌がきれいになると言われており「お清水さま」と呼ばれ親しまれています。湧水のそばには柄杓が置かれていますので、湧水の中央にある石へ3回水をかけてからお祈りします。
熱田神宮の大楠と七本楠
熱田神宮には多くの楠があります。とくに有名なのが手水舎のすぐ横にある大楠(おおくす)です。樹齢1000年以上と言われており、弘法大師が手植えさえたものと伝えられています。
この大楠には蛇が住んでおり、卵がお供えされています。
熱田神宮にある楠の中で、特に大きな 7 本の楠を七本楠と呼んでおり、この大楠もその一つです。現在見ることができる七本楠は他に二本あり、その一つは清水社に向かう途中にあります。
もう一本は第三鳥居の少し手前の、信長塀があるところの右側にあります。
残りの四本については一般には入ることができない場所にあると言われていますが、実際の場所については分かりませんでした。
信長塀
信長塀(のぶながべい)は織田信長が桶狭間の合戦の前に戦勝を祈願し、大勝のお礼として奉納した築地塀です。兵庫西宮神社の大練塀(おおねりべい)、京都三十三間堂の太閤塀(たいこうべい)とともに日本三大土塀の一つです。
宝物館
第二鳥居の手前を右へ進むと宝物館(ほうもつかん)があります(文化殿(ぶんかでん)ともいいます)。 1966 年に建造されたもので、皇室をはじめ多くの方から献納された資料約6,000点が収蔵されており、毎月展示されるものが入れ替えられています。
入って左側へ進むと入口があります。宝物館は有料となっており、拝観料は大人 500 円、小中学生 200 円です。(草薙館との共通入場券も販売されています)。
なお入口の前のショーケースに現在はジオラマが展示されていますが、以前は末之青江(すえのあおえ)(太郎太刀(たろうたち)ともいいます)という太刀が展示されていました。この太刀は現在は草薙館の方で展示されています。
別宮八剣宮
正門をくぐり、すぐ左へ進むと別宮八剣宮(べつぐうはっけんぐう)があります。正宮に準じる格式の高いお宮でご祭神は本宮と同じ熱田大神です。なお別宮の前に小さな階段がありますが、階段より上からは撮影禁止となっていますのでご注意ください。
別宮八剣宮の境内には、樹齢300年と言われる太郎庵椿(たろうあんつばき)と呼ばれる椿があります。
上知我麻神社
上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)は熱田神宮の摂社(せっしゃ)の一つです。別宮八剣宮と同じく正門をくぐり、すぐ左へ進んだところにあります。祭神は乎止與命(おとよのみこと)です。知恵の文殊様と呼ばれており、命名と学業成就のご利益(ごりやく)があります。
上知我麻神社の右には末社の一つである大国主社(おおくにぬししゃ)があります。祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)です。また左側には末社の一つである事代主社(ことしろぬししゃ)があります。祭神は事代主命(ことしろぬしのみこと)です。大国主命は大黒様のことで、ご利益として商売繁盛、家内安全などがあります。事代主社は恵比須様のことで、ご利益として商売繁盛、家内安全などがあります。
毎年1月5日には大国主社と事代主社のお祭りである初えびすが行われます。
上知我麻神社の左側には授与所があります。授与所ではお札やお守りを頂いたり、おみくじを引くことができます。また上知我麻神社および別宮八剣宮の御朱印(御神印)を頂くことができます。
下知我麻神社
下知我麻神社(しもちかまじんじゃ)は熱田神宮の摂社(せっしゃ)の一つです。西門から出て右へ曲がり、まっすぐ進んでいくと地下鉄熱田神宮西駅の手前にあります。
下知我麻神社の祭神は真敷刀俾命(ましきとべのみこと)です。旅行安全の神様として古くから親しまれています。
清雪門
清雪門(せいせつもん)は本宮の北門と伝えられいます。この門は開けられることがないため、不開門(あかずのもん)とも言われています。この門が閉じられている理由は、668年に草薙剣が盗難にあった際に清雪門を通って逃げたためで、二度と神剣が持ちだされることがないように門を固く閉じているとのことです。
日割御子神社、孫若御子神社、南新宮社、御田神社、龍神社
熱田神宮の境内にあるその他の摂社についてご紹介します。
日割御子神社
日割御子神社(ひさきみこじんじゃ)の祭神は天忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)です。
孫若御子神社
孫若御子神社(ひこわかみこじんじゃ)の祭神は天火明命(あまのほあかりのみこと)です。
南新宮社
南新宮社(みなみしんぐうしゃ)の祭神は素盞嗚尊(すさのおのみこと)です。社殿は唯一の朱塗となっています。
御田神社
御田神社(みたじんじゃ)の祭神は大年神(おおとしのかみ)です。
龍神社
龍神社(りゅうじんじゃ)の祭神は吉備武彦命(きびたけひこのみこと)と大伴武日命(おおとものたけひのみこと)です。
楠之御前社、菅原社
熱田神宮の境内にあるその他の主な末社についてご紹介します。
楠之御前社
楠之御前社(くすのみまえしゃ)の祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)です。俗に「子安の神」又は「お楠さま」と呼ばれ安産の神様として親しまれています。
菅原社
菅原社(すがわらしゃ)の祭神は菅原道真(すがわらのみちざね)です。学芸の神様として親しまれており、社前には学業成就、入試合格、願望成就などの祈願絵馬が数多く掛けられています。
剣の宝庫 草薙館
剣の宝庫 草薙館(つるぎのほうこ くさなぎかん)では、熱田神宮にこれまでに奉納されてきた刀剣の一部が展示されています。展示される刀は毎月入れ替えされます。また実物の脇差や刀、そして実際の長さ重量で製作した真柄太刀(まがらたち)を体験できるコーナーも用意されています。(館内は展示室は写真撮影禁止ですが、体験コーナーは写真撮影できます)。
草薙館は有料となっており、拝観料は大人 500 円、小中学生 200 円です。(宝物館との共通入場券も販売されています)。
体験コーナーでは、脇差および刀を実際に持ってみることができます。
また複製されたものですが千代鶴國安(次郎太刀)と末之青江(太郎太刀)を持ってみることができます。
くさなぎ広場
南神池(みなみしんいけ)がある場所に休憩所としてくさなぎ広場が 2021 年にオープンしました。現在の愛知県名古屋市熱田区にあり港町でもあった東海道五十三次の宮宿をイメージした帆船があります。
くさなぎ広場には売店もあり、熱田神宮が所蔵する刀剣をモチーフにした参拝記念品や名古屋名物のお菓子などを販売しています。
二十五橋
くさなぎ広場の近くには二十五丁橋(にじゅうごじょうばし)と呼ばれる名古屋市で最古の石橋があります。現在は実際に橋を渡ってみることができるようになっています。
横から見ると二十五丁橋は次のように見えます。
熱田神宮の鶏
熱田神宮の手水舎(てみずしゃ)や宝物館の近くで鶏を見かけることがあります。木の上にいることもあります。この鶏は熱田神宮で飼っているわけではなく、熱田神宮に居ついているだけということです。次の2羽は 2023 年に見かけた鶏です。
次の2羽は 2019 年に見かけた鶏です。
熱田神宮の食事&カフェ
熱田神宮の境内にはレストランやカフェが 3 個所あります。
くさなぎ広場
くさなぎ広場には「宮きしめん 神宮店」があります。各種きしめんの他、定食なども用意されています。営業時間は 09:00 から 17:00 で、年中無休です。
隣接する店舗では各種飲み物やぜんざい、アイスクリームなどを頂くことができます。
なお「宮きしめん 神宮店」はくさなぎ広場のオープンにあわせて 2021 年にリニューアルされています。リニューアル前の写真も掲載しておきます。
みなもカフェ
みなもカフェは「みなも神殿挙式」のウェイティングルームを利用したカフェです。場所は大楠がある場所の裏側です。営業時間は 09:30 から 16:30 です。結婚式や茶席がある日はお休みになります。
熱田神宮会館 喫茶ラウンジ
熱田神宮会館の中にある喫茶ラウンジを利用することができます。営業時間は 09:00 から 17:00 です。年末年始や祭典等により休業の場合があります。
熱田神宮の雪景色
熱田神宮の雪景色の様子です。
熱田神宮の雪景色に関するより詳細な見どころに関しては「熱田神宮の雪景色の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
熱田神宮の祭典・神事
熱田神宮で行われる祭典と神事について、実際に参加したことがあるものについてご紹介します。
歩射神事
熱田神宮の歩射神事(ほしゃしんじ)は、豊年と除災とを祈る神事で、場所は神楽殿の前庭で行われます。裏に「鬼」と書かれている大きな的をめがけて合計 36 本の矢を奉射します。的に取り付けられた千木は魔除けのお守りになると伝えられており、最後の矢が放たれると同時に参拝者が的を目掛けて走ります。
歩射神事のより詳細な情報に関しては「熱田神宮 歩射神事の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
稚児行列(御衣祭)
熱田神宮の御衣祭(おんぞさい)は、御神前に絹布や麻布などの衣料をお供えする祭典です。場所は本宮で行われます。お供えする衣料が東門に到着したあと、 300 名ほどの人が華やかな行列となり本宮へ進みます。このとき行列の最後に稚児行列として稚児も参加することができます。
稚児行列(御衣祭)のより詳細な情報に関しては「熱田神宮 稚児行列(御衣祭)の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
熱田神宮の住所およびアクセス方法
熱田神宮の住所
熱田神宮の住所は「愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1番1号」です。
熱田神宮へのアクセス方法
名古屋駅から熱田神宮へのアクセス方法について解説します。最寄り駅は、東門をご利用される場合は名鉄神宮前駅、西門をご利用される場合は名古屋市営地下鉄熱田神宮西駅、正門(南門)をご利用される場合は名古屋市営地下鉄熱田神宮伝馬町駅になります。
名鉄神宮前駅を利用する場合:
名鉄名古屋本線
7 分
徒歩
3 分
名古屋市営地下鉄熱田神宮西駅を利用する場合:
名古屋市営地下鉄東山線
5 分
名古屋市営地下鉄名城線
12 分
徒歩
7 分
名古屋市営地下鉄熱田神宮伝馬町駅を利用する場合:
名古屋市営地下鉄東山線
5 分
名古屋市営地下鉄名城線
14 分
徒歩
7 分
熱田神宮の駐車場
熱田神宮には無料で利用できる駐車場がいつくか用意されています。それぞれの駐車場の場所やアクセス方法については「熱田神宮で無料で利用できる公式駐車場の場所」をご覧ください。
熱田神宮の近くにある観光スポット情報
熱田神宮の近くには、他にもいくつかの観光スポットがあります:
リニア・鉄道館
リニア・鉄道館は愛知県名古屋市にあるJR東海が運営する鉄道に関する博物館です。館内には蒸気機関車から実際に使用されてきた在来線や新幹線の車両、そして超電導リニアまで数多くの車両が展示されています。また運転シュミレーターを体験したり、鉄道ジオラマを見ることもできます。
東山動植物園
東山動植物園は、愛知県名古屋市にある市営の動植物園です。1937年に開園しました。敷地内には動物園、植物園に加えて遊園地、自然動物館、世界のメダカ館、ふれあい広場、展望台である東山スカイタワーなどがあります。地下鉄の駅から歩いて数分というアクセスの良さに加えて、中学生以下は入園料が無料ということもあり、ご家族連れに人気のスポットとなっています。
リトルワールド
リトルワールドは、23ヵ国から32の家屋が立ち並ぶ野外民族博物館です。さまざまな国から実際に移築された、または復元された建物を見て回ることができ、世界各地の料理も楽しむことができます。いくつかのエリアでは民族衣装を試着することができ、衣装を着たまま指定エリア内で散歩や写真撮影を楽しむことができます。定期的にイベントやフェアが開催されるため、何度訪れても楽しめます。
ディノアドベンチャー名古屋
ディノアドベンチャー名古屋は、愛知県名古屋市の大高緑地公園内にある、恐竜をテーマにしたテーマパークです。森の中のコースを自分で歩いて回る仕組みで、その森には本物そっくりの恐竜が数多く配置されています。それぞれの恐竜は動いたり、鳴き声をあげたりするため、まるで恐竜の世界に迷い込んだかのような体験ができます。
熱田神宮に関するその他の情報
熱田神宮に関するオフィシャルサイト:
https://www.atsutajingu.or.jp/
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最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
( Written by Tatsuo Ikura )