春日大社 (奈良県) の見どころとアクセス方法
春日大社は奈良県奈良市にある神社で、全国に約 1,000 社ある春日神社の総本社です。奈良時代の 768 年に、平城京の守護と国民の繁栄を祈願するために称徳天皇の勅命を受けて、藤原氏により創建されました。平安時代から寄進されてきた約 3,000 基の灯籠を参道や本殿周辺の回廊で見ることができます。春日大社はユネスコの世界遺産に登録されており、古都奈良の文化遺産の一部となっています。
この記事では海外および国内からの旅行者の方向けに、春日大社の見どころとアクセス方法についてご紹介します。
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春日大社の見どころ
春日大社の見どころについてご紹介します。
一之鳥居、影向の松、馬出橋
一之鳥居(いちのとりい)は平安時代中期に創建され、現在のものは 1638 年に再建されたものです。高さは 7.75m あり、日本三大木造鳥居のひとつです。
一之鳥居を超えてすぐ右側には影向の松(ようごうのまつ)があります。
また少し進んでところには馬出橋(まだしのはし)があります。この橋は競馬や流鏑馬の始点となっており、馬出橋という名前の由来となっています。
飛火野
飛火野(とびひの)は参道に隣接している芝生の野原です。たくさんの鹿を見ることができます。
飛火野の大楠です。一本の大木に見えますが、実際は三本の木が寄り集まっています。
飛火野の一角には雪消の沢(ゆきげのさわ)と呼ばれる小さな池があります。暑い日が続いているせいか鹿たちも水の中に入っていました。
石灯籠
春日大社には平安時代から多くの方より寄進された灯籠が約 3,000 基あります。石灯籠が約 2,000 基、釣灯籠が約 1,000 基です。この石灯籠は春日大社の参道に並んでいます。石燈籠のサイズや火袋のデザインは色々な種類があります。
御本社と若宮神社の間の道は御間道(おあいみち)と呼ばれています。この道沿いには檜で出来た立方体の火袋が特徴の御間型灯籠(おあいがたとうろう)と呼ばれる燈籠が並んでいます。
なお石灯籠の中に15個だけ「春日大明神」と刻まれているものがあり、この中の5つを見つけることができれば金運が高まると言われています。
伏鹿手水所
二の鳥居を入ったところに伏鹿手水所(ふせしかのてみずしょ)があります。春日大社では鹿は神様の使いとして大切にされており、手水所は巻物をくわえた鹿の形をしています。以前は巻物の先から水が出ていたようです。春日大社を参拝される前にここで手と口を清めてください。
南門
南門(なんもん)は本殿の正面にある門で、春日大社では最大の楼門です。元々は鳥居だったものを 1179 年に楼門として創建されました。火災で焼失後、 1382 年から 1385 年頃に再建されています。国の重要文化財に指定されています。
南門の前には「出現石」があります。太古の昔、神様が出現したと伝わる石です。
回廊と釣灯籠
本殿を取り囲むように四方に回廊(かいろう)があります。創建は 1179 年の歴史ある建造物で朱塗りの色鮮やかな回廊です。国の重要文化財に指定されています。この回廊の内側や中門の左右に伸びる御廊(おろう)に 1,000 基の釣灯籠が吊るされています。
2月の節分と8月14・15両日の夜に行われる万燈籠(まんとうろう)では参道にある石灯籠と回廊にある釣灯籠のすべてに火が灯されます。
御蓋山浮雲峰遥拝所
奈良時代、鹿島神宮の神様であるタケミカヅチノミコト様が白鹿に乗って降臨された場所が御蓋山(みかさやま)の頂上である浮雲峰です。御蓋山浮雲峰遥拝所(みかさやまうきぐものみねようはいじょ)は御蓋山の山頂にある「本宮神社」へ祈りをささげる場所です。東回廊の外側に設けられています。
御蓋山は神聖な山であり禁足地となっているため、一般の方は立ち入ることができません。
中門
御本殿の正面にある楼門が中門(ちゅうもん)です。中門の奥に御本殿があります(御本殿は撮影禁止です)。中門の左右には翼を広げたように御廊(おろう)が伸びており、ここにも釣灯籠が吊るされています。
中門の付近には、著名な武将が奉納または寄進した釣灯籠があります。
宇喜田秀家寄進灯籠:
直江兼続奉納釣灯籠:
藤堂高虎奉納釣灯籠:
徳川綱吉寄進灯籠:
藤浪之屋
春日大社ではすべての灯籠に火が灯る万燈籠(まんとうろう)が 2 月の節分と 8/14 と 8/15 の両日の夜に開催されますが、藤浪之屋(ふじなみのや)にて万燈籠を体験できるようになっています。暗闇の部屋の中に数多くの灯籠が吊るされており、万燈籠の幻想的な光景を体験することができます。
社頭の大杉
社頭の大杉(しゃとうのおおすぎ)は直会殿(なおらいでん)の横にある高さ 25m の大杉です。樹齢は 800 年と言われています。鎌倉時代の 1309 年に春日大社に奉納された絵巻「春日権現験記(かすがごんげんけんき)」にはこの杉が幼木の姿で描かれています。
大杉と同じ場所に柏槙(ビャクシン)の木があり、こちらも樹齢 500 年と言われています。柏槙は斜めに伸びているため、すぐ隣にある重要文化財の直会殿(なおらいでん)の側面から屋根へと突き抜けています。春日大社では樹木を大切にしていることから、柏槙に合わせて直会殿を建造したためこのようになっているそうです。
砂ずりの藤
南門を通り、左側の慶賀門(けいがもん)の前にあるのが「砂ずりの藤」と呼ばれる藤です。樹齢は 700 年以上と言われており、地面にすれるほどまで花房が垂れ下がることからこの名が付いています。 4 月の中旬から下旬頃に藤の花が満開となり見ごろを迎えます。
藤の花が見ごろを迎えた時期の砂ずりの藤の様子については「砂ずりの藤(春日大社)の見どころ完全ガイド」を参照されてください。
夫婦大国社
春日大社の摂社・末社の一つであり、若宮十五社めぐりの一つである夫婦大国社(めおとだいこくしゃ)は、夫婦円満や縁結びの神様である夫婦の大国様を日本で唯一お祀りしている神社です。若宮神社のすぐ隣にあります。
恋愛や学問について占うことのできる水占いや、縁結びを祈願してハート型の絵馬を奉納するのが人気です。
若宮十五社めぐり
春日大社では御本社のほかに若宮など数多くの神様が摂社・末社としてお祀りされています。この中で人が生涯の中で出会う様々な出来事や困難に対して力を貸して頂ける神様 15 社を順に巡拝するのが若宮十五社めぐりです。
若宮十五社めぐりについては詳しくは「若宮十五社めぐり(春日大社)」を参照されてみてください。
一言主神社
一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)の御祭神の一言主大神様は一つだけ願い事を叶えて頂ける神様です。絵馬に願い毎を書いて奉納されてください。
萬葉植物園
萬葉植物園は春日大社の境内にある植物園です。主に約 300 種の萬葉植物が植栽されていますが、植物園の中にある藤の園では 20 品種 200 本の藤を見ることができます。
藤の花が見ごろを迎えたときの萬葉植物園の様子については詳しくは「萬葉植物園(春日大社)の藤の花」を参照されてみてください。
春日大社の年中行事
春日大社の年中行事についてご紹介します。
節分万燈籠
春日大社では節分の日と 8/14 および 8/15 に境内の約 3000 基の灯籠全てに火を灯し、人々の諸願成就を祈願する万燈籠(まんとうろう)が行われます。節分の日に行われるのが節分万燈籠(せつぶんまんとうろう)です。
節分万燈籠についてより詳しくは「>節分万燈籠(春日大社)の見どころ完全ガイド」を参照されてください。
春日大社の住所およびアクセス方法
春日大社の住所
春日大社の住所は「奈良県奈良市春日野町160」です。
春日大社へのアクセス方法
近鉄奈良駅またはJR奈良駅から春日大社へのアクセス方法について解説します。
奈良交通 市内循環バス
4 分
徒歩
10 分
春日大社の駐車場
春日大社には公式の駐車場が用意されています。詳しくは「春日大社の公式駐車場の場所と利用料金」を参照されてください。
春日大社の近くにある観光スポット情報
春日大社の近くには、他にもいくつかの観光スポットがあります:
東大寺
東大寺は奈良県奈良市にある華厳宗の大本山です。奈良の大仏さまで有名です。聖武天皇の発願により奈良時代に創建され、大仏殿は751年に完成しました。その翌年には大仏の開眼供養が行われています。世界最大級の木造建築物である大仏殿や、国宝である二月堂が人気スポットとなっています。東大寺はユネスコの世界遺産に登録されており、古都奈良の文化遺産の一部です。
奈良公園
奈良公園は奈良県奈良市にある公園です。奈良公園の周辺には数多くの鹿がいることで有名です。奈良公園がどの範囲を含むかは定義によりますが、東大寺、興福寺、春日大社、奈良国立博物館、若草山、春日山原始林などを含む場合もあります。一般的には、周辺の寺社も含めて奈良公園と称されます。
春日大社に関するその他の情報
春日大社に関するオフィシャルサイト:
https://www.kasugataisha.or.jp/
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最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
( Written by Tatsuo Ikura )