東大寺 (奈良県) の見どころとアクセス方法
東大寺は奈良県奈良市にある華厳宗の大本山です。奈良の大仏さまで有名です。聖武天皇の発願により奈良時代に創建され、大仏殿は751年に完成しました。その翌年には大仏の開眼供養が行われています。世界最大級の木造建築物である大仏殿や、国宝である二月堂が人気スポットとなっています。東大寺はユネスコの世界遺産に登録されており、古都奈良の文化遺産の一部です。
この記事では海外および国内からの旅行者の方向けに、東大寺の見どころとアクセス方法についてご紹介します。
(Last modified: )
Table of contents
東大寺の見どころ
東大寺の見どころについてご紹介します。
南大門
南大門(なんだいもん)は東大寺の正門です。国宝に指定されています。台風で一度倒壊したあと、鎌倉時代の 1199 年に再建されました。南大門には国宝である金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)が設置されています。 1205 年に運慶や快慶によって造像されたもので、その高さは 8.4m もあります。
大仏殿
大仏殿は東大寺における金堂(こんどう)です。国宝に指定されています。世界最大級の木造建造物で、東西に 57m 、南北に 50m 、高さは 48m あります。火災によって二度焼失したあと現在の大仏殿は江戸時代の 1709 年に再建されたものです。その際、財政困難のために幅が 88m から現在の 57m に変更されています。
なお大仏殿の正面には観相窓(かんそうまど)と呼ばれる小さな扉が付いています。普段はこの扉が閉じているのですが、元旦の早朝と 8 月 15 日の夜だけは観相窓が空き、大仏殿の外から大仏様のお顔を見ることができます。
八角燈籠
大仏殿の正面にある八角燈籠は東大寺の創建当初に建てられたものがそのまま残っています。国宝に指定されています。火袋(ひぶくろ)の扉の部分には獅子、扉ではない部分には音声菩薩(おんじょうぼさつ)が浮彫されています。
盧舎那仏(大仏)
奈良の大仏さんとして親しまれている東大寺の大仏様は正式には盧舎那仏(るしゃなぶつ)と言います。大仏様の高さは 15m でビルの 5 階に相当します。大仏殿と同じく火災によって焼失しましたが、江戸時代に再建され 1692 年に開眼供養が行われています。
虚空蔵菩薩坐像と如意輪観音坐像
大仏様の脇侍は、向かって左側が虚空蔵菩薩坐像(こくうぞうぼさつざぞう)、右側が如意輪観音坐像(にょいりんかんのんざぞう)です。どちらも高さが約7mと大仏様の半分ほどですが、それでもかなりの存在感があります。どちらも江戸時代に造られた物です。
四天王像
大仏殿の中には他にも北西の隅には広目天像(こうもくてんぞう)、北東の隅には多聞天像(たもんてんぞう)がそれぞれ安置されています。像の高さは分かりませんでしたが、見上げるほどの大きさでこちらも大迫力です。
広目天像:
多聞天像:
四天王像の中で増長天像(ぞうちょうてんぞう)と持国天像(じこくてんぞう)については未完成で、頭部だけが作られており大仏殿の中に安置されています。
増長天像 頭部:
持国天像 頭部:
大仏殿の柱の穴くぐり
大仏殿の中の一つの柱には大きな穴が開けられており、柱くぐりが体験できます。この穴の大きさは大仏さまの鼻の穴の大きさと同じだと言われています。くぐると様々なご利益があるとされていますが、穴はそれほど大きくないため、成人男性がくぐるのは困難かもしれません。
賓頭盧尊者像
大仏殿の入口右側に賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)があります。病気を治す力があり、撫でた個所と同じ部分の病気を治して頂けると言われています。
鐘楼、念仏堂、行基堂、俊乗堂
大仏殿から二月堂の方向へ向かう坂の途中に巨大な鐘楼(しょうろう)があります。鐘楼は鎌倉時代に再建されたものですが、梵鐘は東大寺の創建当初に鋳造されたものがそのまま残っており、その重量は 26 トンあります。鐘楼および梵鐘(ぼんしょう)はどちらも国宝に指定されており、梵鐘は日本三大名鐘の一つに数えられています。
梵鐘は現在でも毎日 20 時に撞かれています。また大晦日には一般の人も撞くことができます(整理券を受け取った方のみ)。
念仏堂(ねんぶつどう)です。建物は鎌倉時代に建造されたものですが、屋根は元禄年間に改修されたと言われています。堂内に重要文化財の地蔵菩薩像が安置されています。
行基堂(ぎょうきどう)です。建物は江戸時代に建造されたもので、享保年間に行基菩薩坐像を造立して安置しています。行基菩薩は東大寺「四聖」の一人です。
俊乗堂(しゅんじょうどう)です。元々は浄土堂があった場所ですが、浄土堂が焼失したあと公慶上人が重源上人の偉大な功績をたたえ、菩提を弔うためお堂を建てられたあと、国宝の重源上人像を移し本尊としました。
大湯屋
大湯屋(おおゆや)です。鎌倉時代に再建されたと言われているお風呂です。中には鎌倉時代に作られた巨大な鉄製の湯船があり、そのお湯をかける形でお風呂に入っていたそうです。建物も鉄製の湯舟も重要文化財に指定されています。
二月堂
大仏殿から東の方へ坂を上った先に二月堂があります。二月堂では「お水取り(修二会)」という行事が行われることで知られています。二月堂の名前の由来は「お水取り」が旧暦の二月に行われるためです。二月堂は国宝に指定されています。
二月堂は小高い丘の上にあり、二月堂の舞台からは東大寺やその周辺の景色を見渡すことができます。
二月堂の奥には無料の休憩所があります。
不動堂
不動堂(ふどうどう)は元々は興福寺塔頭にあった建物で、法華堂の南側に移築されたあと、昭和 25 年に現在の場所に移されています。護摩壇が据えられた堂内には五大明王像が祀られています。
法華堂(三月堂)
法華堂(ほっけどう、通称:三月堂)は奈良時代に建立されたもので東大寺に現存する最古の建物です。国宝に指定されています。堂内に安置されている 10 体の仏像も同じく奈良時代に作られたものですべて国宝に指定されています。
四月堂(三昧堂)
三昧堂(さんまいどう、通称:四月堂)は法華三昧を行うために建立されたお堂です。法華三昧を旧暦の 4 月に行っていたことから四月堂と呼ばれるようになりました。 1021 年に創建され、現在の建物は 1681 年に再建されたものです。重要文化財に指定されています。
正倉院
奈良・平安時代は重要な物品を正倉と呼ばれる場所に保管していました。正倉がいくつもある場所を正倉院(しょうそういん)と呼びます。長い年月の中でほとんどの正倉はなくなってしまい、東大寺にある正倉院の中の一つの正倉だけが現存しています。正倉院は現在宮内庁の管轄となっています。
東大寺の住所およびアクセス方法
東大寺の住所
東大寺の住所は「奈良県奈良市雑司町406-1」です。
東大寺へのアクセス方法
近鉄奈良駅またはJR奈良駅から東大寺へのアクセス方法について解説します。
奈良交通 市内循環バス
4 分
徒歩
5 分
東大寺の駐車場
東大寺には公式の駐車場がありません。車で行く場合は、近隣にある有料駐車場などを利用してください。東大寺を利用する場合に便利な駐車場の情報については「東大寺・奈良公園の近くにあるコインパーキングなどの有料駐車場」を参照されてください。
東大寺の近くにある観光スポット情報
東大寺の近くには、他にもいくつかの観光スポットがあります:
奈良公園
東大寺のすぐ近くにある奈良公園は、歴史的な建造物や文化財、そして自然と共存する広大な公園で、春には桜、秋には紅葉が美しく、一年を通して訪れる人々を楽しませています。また、奈良公園といえば鹿が有名で、人懐っこい野生の鹿たちとふれあうことができます。
春日大社
春日大社は東大寺から徒歩圏内に位置する古社で、その昔、日本の皇室と深い関わりを持っていました。社殿や鳥居は重要文化財に指定されており、特に本殿の唐破風(からほふ)は日本最古とされています。大極殿(だいごくでん)や二月堂、経堂など、見所も多いです。
興福寺
東大寺からすぐの場所にある興福寺は、飛鳥時代に創建された古刹で、多くの国宝や重要文化財を保有しています。五重塔や南円堂、三重塔などが有名で、豪華な仏像や壁画が見学できます。
奈良国立博物館
東大寺の近くにある奈良国立博物館は、日本仏教美術の宝庫として知られています。展示は定期的に入れ替わり、国宝や重要文化財などの貴重な仏像、絵画、工芸品が展示されています。また、年に一度行われる「正倉院展」は特に見逃せないイベントです。
東大寺に関するその他の情報
東大寺に関するオフィシャルサイト:
-- --
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
( Written by Tatsuo Ikura )